京都大学 大学院工学研究科 電気工学専攻 生体医工学講座 生体機能工学分野 小林研究室

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研究紹介

現在研究室で取り組んでいる主な研究テーマは下記のようなものである.

  1. 非侵襲高次脳機能計測とイメージング
  2. 視覚的認知・意識の脳内機構に関する実験的研究
  3. 機能的MRIと脳磁図/脳波の統合解析法の研究
  4. 拡散テンソルMRIを用いた精神疾患における白質病変の定量解析
  5. 超高感度光ポンピング原子磁気センサの開発と医用イメージング
  6. ブレイン・マシン・インターフェースの新手法開発と福祉工学
  7. 電界・磁界の数値計算法とその生体機能工学への応用

非侵襲高次脳機能計測とイメージング

脳の働きを理解するには、神経科学、物理、化学、情報科学、認知科学等の広汎な知識に加え、計測技術、画像技術、信号処理技術といった工学的な手法の理解と開発が必要とされる。中でも人間の脳機能研究では、脳を傷つけずに調べる非侵襲的な計測手法が不可欠である。

本研究室では本学医学研究科などとの連携により、1.5T並びに3.0Tの磁気共鳴画像(MRI)装置、306チャネルの脳磁界(MEG)計測装置、さらに高分解能脳波計測装置などを用いた非侵襲計測とイメージングを行っている。

機能的磁気共鳴画像(fMRI)  脳の神経活動に伴い細動脈の弛緩が起き、その活動部位の血管中の血流量の増加によって血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度が減少すると水素の原子核であるプロトンの横緩和時間が長くなり、磁気共鳴信号の強度が増す。この信号はBOLD 信号と呼ばれ、BOLD信号を画像化することにより脳機能を計測する技術がfMRIである。当研究室では神経活動に伴って発生する磁場を直接捉える新たな計測原理に基づくfMRIの研究を進めている.

脳磁図(MEG)  脳の神経活動に伴って地磁気に比べ約一億分の一と極めて微弱な磁界が頭部外に発生する。当研究室では量子干渉効果を利用した磁界検出器であるSQUID を凌ぐ超高感度な光ポンピング原子磁気センサ(optically pumped atomic magnetometer)を用いた液体ヘリウムを不要とする新たな脳磁図(MEG)計測システムの開発を世界に先駆けて進めている。

本研究テーマに関連する著書と最近の解説

  • Tetsuo Kobayashi, Isamu Ozaki and Ken Nagata (eds.):
    "Brain topography and multimodal imaging", (Kyoto Univ. Press, 2009)
  • 小林哲生:”脳神経磁場イメージングの新たな試み”、シミュレーション、Vol.33, No.2, pp.18-23 (2014)
  • 小林哲生、他: ”神経医工学-脳神経科学・工学・情報科学の融合”、オーム社 (2009)
  • 小林哲生:”fMRI-MEG統合解析と原子磁気センサ型MRI-MEG融合システム〜高次脳機能の解明と画像診断の新たなツール〜”,高次脳機能研究、新興医学出版社、Vol.30, No.3, pp.378-386 (2010)
  • 小林哲生:”機能的MRIの基礎とその応用”,ヒューマンインタフェース学会誌、Vol.11, No.1, pp.39-44 (2009)